言語化は、語彙力、具体化力、伝達力からなる。使用可能な語彙が乏しければ、最適な言葉を選ぶことができない。何を伝えるべきかが具体化できなければ、言語化以前の問題である。そして、相手に伝わりやすい伝え方をする必要がある。
言語化能力が高まると、人とのコミュニケーションが円滑になり、公私共に良いサイクルが回り出す。加えて、自己の感情コントロールも巧みになる。
語彙力を鍛えるためには、言葉に出会い、調べ、覚えることが必要である。以下に具体的な方法を記載する。
(1) 言葉に出会う
① 会話をする
無意識に生活をしていると、人は容易に言葉を失う。”ヤバイ”という一語でほとんどの状況を表すことができる。まずはこのような環境に身を置いていることを自覚する必要がある。その上で、新鮮な人との出会いが重要である。違う領域の人との会話は刺激的で新しい言葉に出会う絶好の機会である。
会話することは、言語化力アップに直接的につながる。相手の反応を見ながら、会話を盛り上げるトレーニング必要があるため、伝える技術を磨く絶好のトレーニングとなる。
② 体験をする
例えば商品の魅力を伝えるときに、理屈だけを並べて説明する人と、自分の経験を交えて説明する人がいたとする。説得力があるのは後者だろう。体験することでしかわからない感覚や感情、情報など、その人独自のものが得られる。この体験を言葉にすることで、言葉の幅が広がる。具体的には、感想を言う、言い換える、さらに他の言葉で言い表すというステップが役にたつ。
③ 本を読む
アクティブリーディング(文章を読む目的を考え、ツッコミを入れる、線やマーカーを入れる、アウトプットする)の手法を取り入れて、読書をする。
④ アンテナを張る
人は意識していない情報は無意識のうちに排除し、意識している情報が目に入ってくる、と言う性質を持っている。集めたい情報を書き出すことで、必要な情報を集めやすくなる。よく使える言葉や情報を効率よく収集することで、言葉選びの苦労が減り、実のある内容を伝えることが可能となる。