「分かりやすい説明」の技術

 

そもそも分かるとは、わかっている状態になっていることを指す。

わかっている状態とは、情報が整理された状態となり、二次記憶のフォルダに格納されている状態をさす。

わかりやすいとは、すでに持っている情報構造と同じ構造で届けられている文章のこと。

 

認知心理学では分かるということは、一時記憶域の情報が、解釈、一般化、抽象化という過程を経て二次記憶域に移動することをさす。

 

わかりやすくするためのルール

1. 親切心の欠如がわかりにくさを生む。これを回避するために、おもてなしの心を持つこと。

2. 受け手のプロフィールの未定義がわかりにくさを生む。受け手がわかりやすい表現を心がける。

3. 受け手の熱意の読み違い。受け手に熱意がないことはしばしば起こる。そこで自分のペースで表現し続けても、暖簾に腕押し。

4. 大前提の説明もれ。初心者の気持ちを理解しつつ、説明する事項に精通せよ。

5. ガイドの欠如。目次が必要。その際、大項目、中項目、小項目を作成する。それぞれの項目数はせいぜい4こ。トピックセンテンスの書き方を参考にする。

6. 複数解釈ができてしまう。

7. 情報のサイズ違反。一文が長い、早口で話し続けられる、という行為をされても伝わらない。

8. 欲張るな。全部は伝わらない。情報を捨てよ。

9. 具体性に欠ける。抽象的すぎると、範囲が不確定でわからない。

10. 重みづけの欠如。異なっている部分を強調する。差異率を意識する。文字のうち、何%が異なるのか。

11. 情報が共通項でくくられていない。

12. 相互関係を明示しない。親子関係(大項目、小項目)を明確にする、対比する。

13. 視覚特性の無視。例えば、区切りを使うとわかりやすくなる。

14. 自然な発想に逆らう。

15. 受信順序を明示しない。

16. 直訳。翻訳は言葉ではなく、意味を訳す。