〈新版〉実戦・日本語の作文技術 (朝日文庫)

1. 日本語の原則 

(1) 述部(動詞・形容詞・形容動詞)が最後にくる。

(2) 形容する詞句が先にくる(修飾辞が被修飾辞の前にくる)。

(3) 長い修飾語ほど先に。

(4) 句を先に。

(5) 大状況を先に

(6) なじみの強弱(親和度)

なお、3(長い順)と4(句を先に)のどちらを優先するかは、あまり機械的に決めることはできないが、長さに大差がない修飾語であれば一般に4の原則を優先する方がわかりやすいことが多い。

備考:(3) - (6)は「言葉のかかる順序」の原則の重要な順にあたる。

 

2. テンの原則

(1) 長い修飾語が二つ以上あるときその境界にテンをうつ(略して「長い修飾語の原則」)。

(2) 語順が逆になったときにテンをうつ(略して「逆順の原則」)。

 

その他

ABCDEと五つの事実があるとしますと、わたしが普通やるのは、五つの中で最もおもしろい事実。──これを説明するにはABCDEのどれでも同じだけれども、一般の人にとって一番おもしろい、……おもしろいという意味は身近だとか、いろいろありますけれども、とにかくDがおもしろいとすると、Dだけをうんとくわしく書くわけです。徹底的にくわしく書く。ということは、具体的に書くことですけれどもね。つまり、狭く深く書く。残ったABCEの四つについては、Dを補強する形で使うわけです。Dのおもしろさを補強する形で。

 

感想

論理的にルールが定められており、非常に参考になる。

読み手視点の重要性も説かれている。