概要
本書は、「メモ」を単なる記録ではなく、考えを整理し、言語化するための実践的なツールと位置づけている。著者が提唱する「1本線メモ法」は、頭の中の混沌を整理し、その場で思考を言葉にするスキルを高めるメソッドの一つ。
🗂 要点まとめ
◆ 1本線メモ法とは?
ノートに縦線を1本引き、左右に情報を整理。
左:事実、相手の発言、数字、客観情報
右:自分の思考、感情、違和感、仮説
この構造により、「情報」と「思考」が混在するのを防ぎ、即座に言葉を生み出せる構えができる。
◆ 言語化のステップ
・分ける
→ 情報と思考を切り分けるだけで、混乱が減る。
・違和感を大切にする
→ 小さな引っかかりが問いや仮説のタネになる。
・問いを立てる(6W2Hで深掘る)
→ What / Who / When / Why / Where / How / How much(many)
・Why→What→Howで構造化する
→ 考えの深掘りと具体化ができる
・目的を言葉にする
→ 右側に「この会議で何を得たいか」を書いておくことで、発言の準備が整う
◆ コミュニケーションとしての言語化
言語化とは、「想いを言葉にする」だけでなく、相手に伝わる形に変換すること。
以下の3つを常に意識する:
① 伝える目的は?
② 伝える相手は誰?
③ 相手にどう動いてほしい?(ゴール)
・言葉が出ないのは、整理ができていないだけ。
・分けることが考えることの第一歩
・中央で線を一本書き、左側に事実、右側に思考を書く。
・会議の準備では、右側に会議の目的を書いておく。
・右側を書く際の注意点は、①違和感を見逃さない ②なぜそう感じたかを深掘りする(Why) ③自分としての結論を言葉にする(What)、+α:How
・違和感を言語化できない時は、6W2Hで深掘りする。What:何の? Who(Whom):誰が?誰に? When:いつ頃までに? Why:なぜ? Where:どこで? How:方法は? How much/many:どのくらい?
その他引用
「言語化」=「想いを言葉にする」とは、「コミュニケーションのための素材を集めて整理すること」
他人とのコミュニケーションにおいては、「相手目線」に立って達成したい一番の目的を明確にしたうえで、伝える形や言葉を考えることが必要です。 そのためのヒントとして、次の「3つの質問」を意識しています。 ・伝える目的は何か? ・伝える相手は誰か? ・相手にどんな反応をしてもらいたいか?(ゴールのイメージ) 自分のことを振り返ってみると、職場にいたときはもちろん、特に独立して事業を始めてからは、自分の考えを形にして、発信して、それを「相手に受け取ってもらうこと」こそがすべてであると、実感せざるを得ません。
世の中の大半のことには「正解」がありません。私たちが仕事や日常生活で求められているのは、多くの場合、「正解」ではなく有意義な「コミュニケーション」ではないでしょうか。 不安なことは「不安だ」と、わからないことは「わからない」と伝えることも、立派なコミュニケーションといえます。